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◆ アルシャードff漂流学園#1 晴れのち世界!?

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先日、アルシャードff「漂流学園~フライハイ~」キャンペーン第1話のセッションが行われた。
順調にリポートをアップするタイミングが遅れ気味であるが、いつものことなので気にしてはいけない。
そもそもこのプレイリポートは実際のセッションを元にしたフィクションであるし、半年前に終了したナイトウィザードのキャンペーンに至ってはクライマックスすら書かれていないのだから。

アルシャードff 漂流学園 第1話 晴れのち世界!?


それでは、開幕と行こう。





▼プリプレイ

まずはPC間コネクションを決定する。
テーブルの席順に、キャラクター同士の関係を築き上げていくのだ。

“ソーサラー”林田 操(みさお)

→ 谷織 柚子 「忘却」
かつてどこかで出会ったことがあるらしい……忘れてしまっているようだが。

“リンクス”谷織 柚子(ゆず)

→ 谷織 一成 「貸し」
実の兄に貸しを作る妹の構図。

“ファイター”谷織 一成(イッセー)

→ 神奈崎 奈々美 「同行者」
旅は道連れ世は情け。学校ごと道連れだけど。

“ヴァルキリー”神奈崎 奈々美(ななみ)

→ 天宮 実 「恩人」
以前、後輩に助けてもらったことがあるようだ。

“アルフ”天宮 実(みのる)

→ 林田 操 「秘密」
何らかの秘密を共有している。それはいずれ明らかにされるだろう。

こんなところか。
今はまだ曖昧な感じだが、物語が進むに連れてキャラクターを演出するのに役立ってくれるかもしれない。

続いてGMはハンドアウトを配布、オープニングシーンへと移行する。


▼“ヴァルキリー”奈々美

朝、奈々美は自分の部屋のベッドの上でまどろんでいた。
普段はクールな性格からは想像しがたいが、彼女の部屋は少女趣味なピンクや白に彩られている。
小さな時計を胸に抱いたテディベアが、定刻を知らせた。

テディベア 「奈々美チャン、朝ダヨ! 奈々美チャン、朝ダヨ!」

急いでパジャマを脱いで制服に着替えると、壁にかかっていたカレンダーが目に止まる。
午後6時、中央病院。
今日は友人、春日圭一郎の見舞いに行く予定なのだ。
最近は調子が良いらしく、昨日の夕方に電話で話した限りでは元気そうだった。


▼“リンクス”柚子

それは今朝のことだった。
朝食を取っていると、まるで「あたしンち」に登場しそうな風貌の母は千円札を4枚ほど取り出して柚子に手渡し、そそくさと出掛けて行った。

「今日は遅くなるから3人で何か食べなさい」

3人とは、柚子と双子の妹である夏凪子(かなこ)、そして今はまだ部屋で寝ているらしい兄の一成のことだ。
詳しいことは知らないが、母はたまに仕事で帰りが遅くなる。
こういうとき、母は子供たちを信頼して、夕飯を任せることがあるのだ。
まあ、母が信頼しているのは専らカナコの料理の腕の方だったりするが。
柚子や兄も作れないことはないだろうが……あまり過去は思い出したくない。

カナコ 「ゆず、お母さん行った?」
柚子 「そうみたいだよ~、カナちゃん~」
カナコ 「よぉーっっし!」

柚子の返事を聞くと、カナコは軽くガッツポーズ。
どうやら今日の夕食は安く済ませ、そのお釣りを小遣いにしてしまおうという魂胆らしい。
家事が上手いだけでなく、カナコは姉と比べてちゃっかり者でもあった。

カナコ 「じゃ、あたしがご飯作るから、ゆずは帰りに買い物よろしくねっ!」

成績優秀なカナコは、兄妹の中で1人だけ家から遠い別の学校に通っている。
輝明学園という歴史のある中学校の生徒だったりするが、それはまた別の話。


▼“ファイター”一成

妹たちから少し遅れて学校へと向かった一成。
万色学園高等部の昇降口で、下駄箱に入った2つの手紙を見つける。

1つは、ピンク色の封筒。
もう1つは、薄めの紙に、赤いハートのシールが貼られた手紙。
典型的なラブレターだった。

おそるおそる、そして少し期待しながら、一成は手紙を読んでみる。
まずはピンク色の封筒に入った方から。
体育館裏で待っています。 篠原麻央理

一成 「け、決闘の申し込みだと……ッ!?」

残念ながら、彼は鈍感キャラだったようだ。
ご愁傷様である。


ちなみに、もう一つの方はと言うと。
  • 豚肉

  • ニンジン

  • ジャガイモ

  • 牛乳

  • ジャワカレー(甘口)

こちらは実妹の字で書かれていた。


▼“アルフ”実

天宮実には歩(あゆむ)という弟が居る。
年の差があるせいか、兄は弟を溺愛し、弟は兄を信頼していた。

「今日は何が食べたい? お兄ちゃんが作ってやるぞ!」
アユム 「ん~……ハンバーグ!」
「まったくもう……分かった、ハンバーグだな? でもその代わりちゃんとピーマンも食べるんだぞ?」

昨日と同じ今日。
今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
だが人々の知らないところで世界は大きく変貌して……!

……コホン。ゲームが違います。

「じゃあお兄ちゃんが帰ってくるまで、ちゃんと良い子にしてるんだぞ!」
アユム 「うん!」

この後2人が再開するまで、しばしの時を要することとなる。


▼“ソーサラー”操

林田操は万色学園に通う女子高生。
ちょっとスタイルには自信が無いくらいで、顔は美人だし、何よりも生粋のお嬢様だった。
生まれながらの勝ち組というヤツである。
今朝も、屋敷に仕えるメイドが部屋まで銀の食器に盛られた朝食を運んできた。

メイド 「お嬢様、朝食をお持ちいたしました」
「……置いといて」

視線はパソコンの画面に固定したまま、操は一言で返した。
赤い目も気にせずに、ただキーボードの音が部屋に響く。
彼女は三度の飯よりプログラミングが好きという、病的なパソコンヲタクだった。

お嬢様なのにっ!
華の女子高生なのにっ!

今日も徹夜でプログラミングをしていた娘の身体を心配して、大学教授の父親がドア越しに声を掛ける。

「操、少しは自分の身体も心配しなさい」
「……問題ない。あと、用があるならメッセで」

……あ゛う゛。
なんだか、ロールプレイを横で見ている自分の胸にトゲが突き刺さる気がしてならない。(遠い目)

とはいえ今日は平日、学校もある。
作業中のデータをモバイルタイプのノートPCに転送し、シャットダウンした。
その後、執事の運転する黒塗りの長いピカピカの車に乗り、万色学園へ。


やがて操を乗せたリムジンは学校へと到着する。
車から降り、独り昇降口へと向かう操。
しかし突然、意識が朦朧とし、その場に倒れこんでしまう。
その腕から転がり落ちたノートPCは、そのショックによるものかモニタが光り出した。

ザザッ…… ザザッ……!

モニタには、見たことも無い神々しい絵が映し出されていた。

謎の声 「……アスガルドに至れ……」

スピーカーから謎の声が鳴り響く。
操は、ここで意識を失った。



▼昼休み

ここからミドルフェイズへと移行する。

学校の昇降口で急に倒れたパソコンヲタクの林田操は、気が付いたら保健室のベッドで横になっていた。
窓から見える太陽は、だいぶ高いところまで昇ってしまっている。

保健の先生 「大丈夫? もうすぐお昼休みよ」
「……2日くらい寝ていなかったもので」
保健の先生 「無理しないで、女の子なんだから」

ここでカメラはヘリからの空撮となり、校舎全体を映し出す。
そして昼休みのチャイムが鳴ると同時に、いたるところから生徒がわらわらと溢れ出した。

谷織一成の所属するクラスも例外ではない。
ある者は真っ先に購買部へと飛び出し、ある者はそそくさと弁当箱を広げ出す。
そんな様子を気にする風もなく、ただ窓の外をボ~っと眺めていた。

ガラガラガラ!

柚子 「お兄ちゃん~! お弁当、持ってきたよ~~!」

教室のドアを勢い良く開け、柚子が叫んだ。
ここは高等部2年生の教室である。あまり中等部の生徒が来るべき場所ではない。
突然現れた美少女に、男子生徒を中心にざわめきが起きる。

男子生徒A 「あの子、結構かわいいじゃん。誰だ」
男子生徒B 「なんと、イッセーの妹らしい」
男子生徒A 「うわー、マジかよ! 羨ましいな」
男子生徒B 「でもあの子と結婚するとイッセーのことお義兄さんって呼ばなきゃならないんだぜ?」
男子生徒A 「うーん……それはちょっとな……」

他には目もくれずつかつかと兄の元へ近寄ると、机の上に風呂敷包みを置いた。
リンゴ3個分の体重でお馴染みの子猫のキャラクターがでかでかとプリントされた可愛らしい弁当箱である。
一介の男子高校生がこのお弁当を持つと何故か悲しくなってくるのは何故だろうか?(笑)
もちろん、そんな兄の心境を見越した上で、わざとそのチョイスにしたのは双子の妹・カナコと2人だけの秘密である。

柚子 「ゆずこもね、カナちゃんのお手伝いして作ったんだよ~(にこにこ)」

頬杖をつき、何かを期待するような目で一成を見上げる柚子。
勇気を絞って弁当箱のフタをあけると、そこには一面のお花畑が広がっていた。
白いご飯の上には桜でんぶの花びらが散り、ニンジンの蝶々が舞っている。

ちなみに、2段になった弁当箱の上の段にはおかずが詰め込まれていた。
残念ながら、一成にはそれが緑色をしたゲル状の何かにしか見えなかったけれども。

柚子 「美味しい? ねね、美味しい?」
一成 「……何故だか頭がクラクラするよ」

2人がやりとりをしているところに、同じクラスの天宮実が声をかけてきた。

「……なあ、美味しいハンバーグの作り方って知らないか?」
柚子 「カナちゃんなら知ってると思うけど……今度紹介するね~」

今朝、実が弟のアユムと交わした約束。美味しいハンバーグを作ってあげること。
早く家に帰って、弟の喜ぶ顔が見たい……今の実の心境だった。


ドォォォォォン!

何気ない3人の会話を遮ったのは、突然外から聞こえてきた爆発音だった。


▼アドベンチャー・モード

突然の爆発音の後、スピーカから避難指示の放送が流れてくる。
敷地内で謎の爆発があり、全生徒は急いで校庭に避難せよ、というものだった。
しかし、大人しく従う生徒ばかりではない。
彼らの若い好奇心は、何があったのかと校舎内を回り始める。

学生食堂にて

奈々美 「皆さん、早く校庭に避難してくださ~い!」

生徒会の一員である神奈崎奈々美は、校舎内を巡りながら、生徒たちを校庭へ誘導していた。
避難指示を聞いていない者、聞いてはいたが非難していない者、そして野次馬の如く校舎を探し回っている者など……なかなか生徒会も大変な仕事である。

中でも一番大変だったのは、この騒ぎに紛れ、学食で盗み食いをしていた太目の男子生徒を見つけたときだったろうか。

デブ 「ボ、ボクはな、何もしてないんだな。」

奈々美たちに見つかったと分かると、頭にバンダナを巻いたデブで眼鏡の男は、口元にミートソースをべったりと付けたまま力いっぱい否定した。

校舎裏にて

一方、校舎裏。
避難命令など気にもしない学校のクズたち……不良の皆さんが煙草片手にたむろっていた。

柚子 「あ、こんなところに社会のゴミがいるよ~」

遊び道具を見つけたと言わんばかりに、彼らを挑発し始める柚子。
最初は無視していた不良たちだったが、中等部の生徒に馬鹿にされたとあっては格好も付かない。
少し脅してやろうと柚子ににじり寄ると、

柚子 「へへん。お兄ちゃんのほーが強いもんね~」

そう言って、妹は兄の背中を押し出した。


体育館にて

保健室の窓からチラリと見えた煙を頼りに、林田操は体育館へとやってきた。
普段ならそのまま帰宅してプログラミングの続きでもするところだが、今回ばかりは今日に好奇心が疼いたのだ。

女性教師 「危険だから帰りなさい」

体育館の入り口の前では、バスケ部の顧問らしい巨乳の女性教師が野次馬たちを追い払っている。
やはりここが爆発現場らしい。彼女はそう確信した。

「先生、お願いします! 今後のために見ておきたいんです!」

いつまでも食い下がろうとする操に、女性教師はついに諦め顔を見せた。

女性教師 「……仕方ないわね。少しだけよ?」
「ありがとうございます」

そう言って、教師の横を通り過ぎ、体育館の中を覗こうとしたその時。

女性教師 「1つ教えてあげる。他人をそう簡単に信じていてはいつか後悔するわ。でも残念ね、ここで他の人間に知られるわけにはいかないの」

女性教師は右手をそっと操の方へと差し出すと、短い呪を唱える。

ゴォォォォォッ!!

唐突に、操の身体が炎に包まれた。


▼覚醒

それは不思議な光景だった。
現実にこんなことがあっていいのだろうか?

バスケ部の顧問の先生が何か言ったと思ったら、突然その場に炎が舞い上がった。
そして、その業火にやられ、ワケも分からぬまま操は自分の死をはっきりと覚悟した。

ふと見ると、手にしたノートPCの画面が光り輝いている。
この状況でよく動いているものだと冷静に分析している自分を、少し馬鹿だなと思ったり。
そういえば今朝も似たような光景を見た気がする。
デジャ・ヴュだろうか?

謎の声 「……アスガルドに至れ……」

幻聴か?
いや、そうではない。間違いなく、今朝も聞と同じ声だ。

「……アス…ガルド……?」

その瞬間。
モニタの明滅に呼応して、操の身体から眩いばかりの光がほどばしる。

「きゃあああああああっっ!!」
女性教師 「この光はまさか……クエスター!?」


変化が起こったのは、操だけではなかった。
天をも貫く光の柱が放ったある種の波動が、“素質”を持つ者たちに影響をもたらす。

謎の声 「……アスガルドに至れ……」

体内に秘められた神々の欠片シャードが共鳴したのだ。



▼クライマックス

謎の声に導かれ、5人の生徒が体育館へと集まった。
すなわち、一成、奈々美、操、実、柚子。

女性教師 「こっちの世界にも、クエスターが居たなんて、ね」

女性教師は5人を一瞥して、ニヤリと笑う。
すると、みるみるうちにその姿が変わっていくではないか。
漆黒のドレスに身を包んだ妖艶な魔女、それが彼女の真の姿だった。

GM 「こいつはバスケットボールを2つも持ってるから」
一同 「?」
GM 「ほら、これ(巨乳女性のイラストを見せる)」

確かにバスケットボールが付いていた。
バスケ部顧問だったのは伏線かッ! くそっ!

奈落の使徒としての正体を現した女性は、使い魔たる5匹のコウモリを召喚した。
ここからはラウンド進行となる。

第1ラウンド

まずは様子見のつもりなのか、奈落の使徒は戦闘に参加せず。
少し反撃で操が傷を負ったものの、柚子、操、一成の攻撃により5匹のコウモリは一瞬で撃墜される。

奈落の使徒 「(オッパイをぼいんぼいんさせながら)やっぱり使い魔だけじゃ相手にならないわね」

そう言って、奈落の使徒は戦いの構えを取る。

第2ラウンド

前のラウンドとはうって変わって、お互いに加護連発の派手な展開となった。

プレイヤーたちが動く前に、奈落の使徒は加護《フレイヤ》を宣言。
先制の範囲攻撃を喰らえば状況は一気に不利になってしまう。
ここは操の持つ加護《オーディン》で、奈落の使徒の加護を打ち消した。

柚子の「にゃんだーふぃすと(《猫の手》+《魔法弓》+《サンダーフィスト》)」は外れるものの、続く操の《プログラム・ゲブラー》や、実の《ピンポイント・レーザー》が確実に傷を負わせていく。

通常の行動順で、奈落の使徒は《パワースペル》《サンダーフォール》《賢者の石》《マジックサークル》を組み合わせ、パーティ全体に31点もの〈雷〉を降らす。
ここで一成は実をカバーリングすることを選択、受けるダメージは倍の62点となったものの、自身の持つ《タケミカヅチ》で跳ね返すことに成功。
直後、使徒は《イドゥン》で回復を図ろうとするも、柚子の《オーディン》により失敗。

ここで“ヴァルキリー”の奈々美は《フレイヤ》で割り込みを行う。

奈々美 「《フレイヤ》(←1本目)」
GM 「《エーギル》で回避」
奈々美 「《フレイヤ》(←2本目)」
GM 「《ヘルモード》で回避」
奈々美 「《フレイヤ》(←3本目)」
GM 「……ごめん、攻撃どぞ」

根負けした奈落の使徒の肢体を奈々美のグラビティカノンが打ち抜き、そこへ更に一成の《トール》が追い撃ちを浴びせる。
これが致命傷となったのか、そのまま奈落の使徒は乳を……もとい、膝を付いた。

奈落の使徒 「うふふ……けれどもう儀式は終わっているの。さあ、私と一緒にミッドガルドへ行きましょう?」

PCたちの位置からは見えなかったが、体育館の床に刻まれた巨大な魔方陣が黒い光を放出する。
その光は巨大な竜巻となり――――万色学園全体を、喰らい尽くした。



▼エンディング


バラバラバラバラバラバラバラバラ……
ヘリコプターが、万色学園“跡地”の上空を飛び回っている。

TVレポーター 「本日午後、この万色学園で起こったと見られる爆発は、消防の――――」

カメラは万色学園のあった場所を空撮する。
そこには、学園の姿は既に無く……巨大なクレーターだけが映し出されていた。

そして。
山下達郎の「LOVELAND, ISLAND」が、ゆっくりと流れ始める……。
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R.F.D. | by odprfd | 2006-07-14 16:07 | TRPGセッションレポ

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